間に合わせの止まり木

この憂いを貴方の慰みに

いつか報われるために

後輩の女の子と話の流れで診断テストをする。
「約束の時間よりも先に着く?」
「大変なときに新しい仕事が舞い込んできたらどうする?」
「休日は一人で気ままに過ごしたい?」
はい、引き受ける、いいえ。淡々と答える。なんかこんなのやった気がするな、そんなことを考える。考える。
そしてふと、就職活動での適職診断だ、と思いつく。積極的だが周りに流されがち、夢を見るよりは現実派であまり挑戦的な性格ではない。波風を立てるのを嫌い調和を重んじる。
向いているのはインフラ業界や教育関連業界などと診断された気がする。
内定を得るまでの就活生は迷える子羊で、生まれたての子鹿のように足を震わせ、脱兎の如く臆病だ。根拠の薄弱なそんな診断も一縷の光明に見えていたものだった。
(最も、結果としてインフラ関連業界に入社予定なので強ち根拠が薄弱だとも言い難いかもしれないが)
本日、ふと文系の内定率が前年比10%ほど落ちている旨のニュースを目にした。コロナの影響にビクビクしていた就活期より明らかに他人事だった。

就活も受験も恋愛も一過性のマイブームと変わらない。当時は大変だったが過ぎてみれば何が辛かったのか思い出すのにさえ苦労する。
そうして頑張ったことも大変だったことも辛かったことも、その時感じたありとあらゆる熱も思いも冷たく固まってしまうから偶にこうして記録にしておこうと考えるのだ。

歌が歌えるのなら歌にしよう

絵が描けるのなら絵を描こう

それも出来ないからせめてこうして文字にしよう。
そうしてこれが、もしこれが、そっと誰かの目に映ることがあれば、この思いも報われたことになる。そう思いたい。